6f5a08dab73371569da2c6de8885a884_s経営者の方の健康保険についてご質問がありましたので、まとめていきたいと思います。

 

労災の特別加入をしていれば労災適用

そもそも労災保険は、労働者のためのもので、法人の役員など経営者に対しては適用されません。しかし、特別加入という制度があり、文字通り経営者であっても、特別に労災に加入できる制度があります。この特別加入をしていれば、当然、仕事中に生じた怪我などは、労災保険が適用され、治療費等は労災からでるため、自己負担なしで治療が可能です。

健康保険は、以前は使えなかった

では、労災保険の特別加入をしていなかった場合は、どうでしょうか?
労災が使えないのであれば、残るは健康保険しかないのですが、以前の健康保険法の1条は、次のようになっていました。
「この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡または出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」
はっきりと「業務外の疾病、負傷・・・」とかかれています、つまり、業務上の怪我などには使えませんでした。
実際、当時は、健康保険が使えず、全額事故負担で治療を行っていたケースも多かったようです。

その後、何の保険も使えないのは、あまりにも不都合ということで、2003年に厚生労働省からの通達により、小規模の会社の経営者に限って、仕事上の事故等で怪我をした場合で、労災が使えない場合は、健康保険を使っても良いことになりました。ただ、この時点は、あくまで当面の措置として、通達が出されたに過ぎませんでした。

その後、法改正の必要があるとして、平成25年に健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、よやく法整備が行われ、基本的には、経営者などの業務上の疾病、負傷等で、労災が適用されない場合には、健康保険が使えるようになりました。

普通に考えれば当然のことなのですが、こういった法律の穴というか不備というのは、実際には結構あって、法整備が追いついていないと感じる場面はよくあります。