a43ea6586203855584bb1fcd94cfab0f_s従業員の方が遅刻した場合の給与からの減額についてご質問がありましたので、まとめていきたいと思います。

 

遅刻の減額は違法が蔓延?

社会保険労務士をしておりますと、色んな会社の給与制度をみることになります。
その中には、いまだに、例えば、遅刻1回で1万円給料から天引きとか、10分の遅刻で1日分カットとか、3回の遅刻で給与なしとか、信じられない制度を有している会社も少なからずあります。
もちろんこういったことは、労働基準法違反です。
遅刻でも給与を減額することは出来ますが、法律上、上限が定められていますので、それを超えるような減額は、違法です。経営者の方の心情は分からなくはありませんが、退職後、労働基準監督署に駆け込むケースも多いので、法律を遵守しましょう。

ノーワークノーペイの原則

では、具体的にどれくらいまで減額が許されるのでしょうか?

まず、遅刻しているわけですから、その分は労働をしていませんので、その分をカットすること事態はなんの問題もありません。例えば月給22万円(日給1万円)で、1日8時間の勤務のうち4時間遅刻したら1万円×4時間/8時間=5,000円をカットするのはノーワークノーペイの原則にしたがってなんの問題ないということになります。

この5000円に加えて、制裁として給与をカットする場合には、労働基準法上、上限が定められています。

労働基準法第91条に従って減額を

それは労働基準法第91条です。
労働基準法91条には次のように定められています。
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

まず、大前提として就業規則に定めれれていて、その就業規則が周知されていることが前提となります。就業規則がなかったり、周知されていない場合は、減額の制裁を行うことはできません。
その上で、減額の制裁を行う場合の上限は、1回については平均賃金の1日分の半額まで(先の例だと5000円)となります。また1ヶ月の間に何度も遅刻をした場合でも、1ヶ月の給与から減額できるのは1ヶ月分の給与の10分の1までですので、先の例だと、22,000円が上限となります。ですから例えば5回遅刻しても、減額できるのは22000円までというこになります。

もう一つ注意点として、どんな場合でも就業規則にさえ定めれば減額が許されるかというとそういうわけではありません。例えば1分しか遅刻していないのに、1日分の半額をカットするのはやりすぎでしょうし、遅刻した理由(電車の遅延など)によっても、やりすぎと判断される場合もあるので注意が必要です。あくまで常識の範囲内で減額を行いましょう。